リーダーの後ろ姿
自分たちのチーム・組織が本当に達成したい目標について、一歩目の階段である目標地点(マイルストーン)を低い目標で設定したとします。
リーダーに対して「この目標は低いですか?」と問いかけると「低いです」と答えが返ってきます。
次に「達成できますか?」と問いかけると「達成できると思います」というような返答があったりします。
「リーダーなのだから、あなたの責任において必ず達成させてあげてください」
と伝えると2つに分かれます。
1つは論外で、「私の責任では・・・無理です」と言って責任放棄をします。
後ろ姿がリーダーではありません。
もう1つはきちんと後ろ姿を見せる人で「全力で達成します!」と気持ちが入っています。
しかし、気持ちだけでは本当に達成したい目標の達成は難しいです。
そこでやらなければならないことは、最初の一歩目・二歩目の階段は問題ありませんが、階段を上るにつれて段々と上ることが難しくなっていき、本当の実力がないと上がれなくなるため実力強化のためのトレーニングが必要となっていきます。
リーダーの役割はメンバーの実力を強化していくためのトレーナーなる
トレーナーとして成長支援をしていくことがリーダーの役割です。
ここにもDo(やり方)とBe(あり方)の領域があります。
トレーナーとしての実力をつけること、達成方法を学ぶことは重要です。
それだけでなく、あり方として、チーム・組織に信頼感があり安全な場となっているのか、エネルギーと推進力がある、端的に言うとモチベーションが高いチーム・組織になっている、スキルが身についていても本当に目標達成したい意欲・気持ちが続いていかなければ到達できません。
チーム・組織が目標達成できるようにリーダーは自己反省しながらトレーナーとしてのDo(やり方)とBe(あり方)を身につけていきましょう。
職場に喜びはありますか?成果が出ていない組織は暗くエネルギーが低い
モチベーションが低い状態のチームの場合、なぜ低い状態なのかを聞かないとチームビルディングの研修を行うことが難しくなるため最初に「なぜモチベーションがないんですか?」と聞くことがあります。
多くの場合、最初はみんなモチベーションがあります。
ところが、頑張って成果を出してリーダーのところへ報告しに行くと・・・
「あっ、そう」
「そんなの当たり前でしょ」
「その程度で喜ばれてもね…」
というように返答され、すごく頑張った自分を否定された感じに受け取ってしまいます。
リーダーがメンバーのモチベーションの芽を潰してしまうとメンバーはやる気を無くしていきます。
現代の若手は褒められて伸びる人の方が多いです。
承認してもらうことで、やる気スイッチが入った状態を保てます。
リーダーは同じチームの仲間としてメンバーと一緒に喜ぶことを意識してください。
人はどんな時でも、ちょっとしたことでも単純に喜んでもらえると嬉しいです。
わざとらしいくらい喜んでも、「あっ、そう」「そんなの当たり前でしょ」のように、つんけんした態度を取られるより100倍嬉しいです。
職場の雰囲気を良くしていくことで成果が上がりやすい体質へと変わっていきます。
モチベーションを創り出すことがリーダーの仕事、なぜチーム・組織内に喜びが必要なのか?
リーダーが率先して行わなければならない仕事はチームメンバーのモチベーションを高めることです。
モチベーションを高める方法として、喜ぶことが有効であるなら率先して行い、他の要素の方が有効であるならそれらを実施してください。
ノウハウ本しか読んでいない方はやり方の枝葉ばかりをやってしまい失敗していきます。
「このチーム・組織に足りていないことは何ですか?」
この問いにリーダーは向き合う必要があります。
日本チームビルディング協会が実施してきた研修やコンサルティングから、傾向として「喜ぶ」ことでチーム・組織は変わることができます。小さな成功体験と喜びがあることの繰り返しがあることで「できる」というマインドセットに繋がっていきます。
まずは「できた・やったー!」とメンバーからの結果報告に対して、表現力として「喜ぶ」ことを重点的にトレーニングすることをオススメします。
エネルギーが上がると階段を上るモチベーションになりますが、障害として本能的に「今のままがいい」「変わりたくない」と思う心もあります。
「人のために喜ぼう」「感謝しよう」と頭では分かっていても、いざその場面が来ると腰が引けてしまう人も多いです。
この壁を突破していかないとチーム・組織は活気づいていきません。
リーダーはチームパフォーマンスを上げるために、どういう表現が一番有効になるのか客観的に観た上で自分が演じることが求められます。このチームにおける最良のリーダー像を自分が体現できる自己演出をすることが必要です。
これは難しいことではなく、誰でもできる笑顔でポジティブな表情でいることです。
ちょっとした変化や成果を喜んでいくことをリーダーが率先して行うと笑顔が増えて仕事が楽しくなり喜びのあるチーム・組織へと変わっていきます。
ただし、外部ある日本チームビルディング協会のような人たちが入り、色々なことをやった結果として生まれた笑顔があり仕事が楽しいと思える状態のため、我々が抜けると元に戻ってしまうことがあるので注意が必要です。
疑似的に生まれた状態ではなく、自分たちで仕事を楽しくする、率先して喜び合う職場となるように企業内で自分事として習慣づけしていくことが不可欠です。
喜びは他人が作り出すものではなく一人一人自分が作り出すことの意味を理解し自分に対して腹落ちさせていくことがタックマンモデルの第3段階・標準期(ノーミング)の肝となります。
まとめ
第3段階での成長は一人一人が自分事として仕事を捉え、自己演出を含めた笑顔と喜びからくる「できるという事実性」が大きな成長曲線となります。
これが作り出せると第4段階の達成期(トランスフォーミング)でさらに大きな成果を出すことが可能となります。