多くの組織は第1段階の形成期(フォーミング)にいる
チームの成長プロセスは第1段階の形成期から第4段階の達成期まであり、日本チームビルディング協会では第3段階の標準期からチーム力があると定義しています。
詳しくは「Good Team 成果を出し続けるチームの創り方」で学べます。
チームが発足した結成当初が第1段階の形成期(フォーミング)で典型的なことは「●●部」や「●●課」など、同じ枠の中に様々な人がいるだけの組織で放置をしてしまうとチームの概念や必要性を感じない個人プレーをしているだけで向いている方向がバラバラ、協調性はなく腹の探り合ったり、希薄な関係性から他人に興味がない人の集まりとなってしまいます。
この状態を「個人商店の集まり」と呼んでいます。
チームの目的が明確でなく腹落ちしていない状態の場合、個人商店化します。
同じ部や課にいてもチーム目標の認識がバラバラ、興味がない人は言われてもスーッと抜けていってしまい、チーム目標が腹落ちしている人はほとんどいません。
腹落ちしていないということはモチベーションにならないため「やらされ感」だけになってしまいます。
チームとしての一体感を作るためには軸が必要ですが、どこに向かうのか明確でないとバラバラのままになります。
チーム(組織)は個人商店から始まる!
個人商店の集まりが悪いのではなく、スタートは個人商店から始まっています。
チームが成長すると一番変わるのは関係性が強化されていくことです。
相乗効果を出すためには信頼関係は必要不可欠な要素です。
問題なのは、チームが成長していかないと個人商店のままになってしまうということです。
個人商店のままだと第2段階の混乱期へ進むことはできません。
個人商店にはチームという概念がないため大きな成果は出ない
チームマネジメントができていない組織でも、自分のルーティンワークの仕事は持っているため、ルーティンワークをしていればそこに何となく結果があり、チームの必要性を感じることなく仕事ができてしまい個人商店のままで成り立ってしまいます。自分のフローの中で仕事をしているだけだと他の人とコミュニケーションを取る必要性を感じません。
個人商店化が進むとコミュニケーションの量はどんどん減っていき、質についてはコミュニケーションを取っていないので深まることはありません。
尚且つ、コミュニケーションを取らずに仕事が成り立ってしまうと他人に興味を持たなくなります。隣の席の人に挨拶をしなくてもよい関係になってしまいます。
コミュニケーションを面倒くさがる人が増えてきており、SNSの普及で輪をかけて対面で人の目を見て話ができない人が多くなり、そのような状況下にいたら当然ですが個々が孤立化していくため良い関係性とはほど遠くなります。
良い関係性から相乗効果を出しパフォーマンスを上げる機会がないので、成果は小さい枠のまま、大きな成果は望めません。
個人商店の人はルーティンワークを回すことが仕事の定義になっているため変化を嫌う
成果を高めていくために自分の仕事の内容を創造的に変えていくことが本来求められる仕事ですが、ルーティンワークの仕事の場合は決まった業務のため、長年やり続けるとルーティンワークを滞りなく回すことが仕事になってしまいます。
個人商店の人の良い仕事はルーティンワークをひたすら回すことのため、業務改善を試みたり、既存ビジネスに変化があったり新しいビジネスをやろうとすると、ルーティンが仕事なのだから変えないでもらいたいと全力で拒否します。
日本人のメンタリティには現状維持や変化を不安に思ったり怖がる傾向があります。
個人商店が長続きしてしまうと保守化していき、このような組織は変化を拒絶します。
この状態はパフォーマンスが低い状態で、この時に適用されるのが綱引き理論です。
綱引き理論
1対1、1人だと個人のパフォーマンスが96%、ほぼ100%の力が発揮される。
これが、3対3になると1人あたりのパフォーマンスは85%に落ち、8対8になると50%以下になります。
個人商店のままで人が増えて肥大化すると一人一人のパフォーマンスが落ちることが分かります。また、決定的な欠点としてリーマンショックのような逆風の外部要因があると企業力がないためあっという間に倒れてしまいます。
チームを成長させることがリーダーの役割
個人商店のままうまくやろうとすると小手先の対症療法になり、対症療法をやればやるほど作業が増えてストレスが上がり生産性が落ち、全員が疲弊していきます。
多くのリーダーはチームが成長することを教えてもらっていません。
そのため、チームを成長させる認識を持っていないません。
成長さえすれば個人商店から脱却できます。ここが大きなテーマです。
そのために、まずは第1段階の形成期(フォーミング)を理解することです。
どんなチーム(組織)も最初は形成期からスタートするので、形成期の特徴である個人商店がどのようなものか理解をして、第2段階の混乱期(ストーミング)、第3段階の標準機(ノーミング)、第4段階の達成期(トランスフォーミング)とチームを成長させ、シナジーが発揮され成果が出るチーム作りに挑戦していきましょう。